久遠の空 参萬打感謝記念 秘密の花園

秘密の花園




「おセイちゃん、いらっしゃい」

「こんばんわ明里さん、お久しぶりー」

「この前はおいしいものありがとうさん。堪忍え、留守にしてて」

「いいのいいの、私も副長のお使いの途中に寄っただけだったから」

「しっかしアレ甘かったわあ。沖田センセのおすすめ?」

「うっ・・・やっぱり甘かった?」

「ふふ。でもおいしかったえ」

「そう、よかったー」

「按配どう?」

「うん、今回は軽いみたい。でも少し横になりたいかな」

「ほなこちらへどうぞ、清三郎はん」

「やだー明里さん、からかわないでよ」




「最近沖田センセとはどうなん?」

「えっ、ど、どうって」

「少しは野暮天治った?」

「治るわけないじゃない、アレだよ?
この前もさー、人のほっぺたぷにぷにして、
“あー神谷さんのこの感触、好きだなあ”だって」

「・・・ぷっ」

「笑い事じゃないんですけど?」

「あはは、堪忍え。でもそれじゃあお嫁さんにしてもらうには
まだまだ道のり遠いわ」

「お、お嫁さんって!明里さん、私にそんな気がないの知ってるくせに!」

「あんなとこさっさと辞めて、センセのお嫁さんにしてもろたらええのに」

「んも〜〜〜、明里さんたら〜〜〜」


「じゃあさ、明里さんはどうなのよ」

「え?」

「明里さんは山南先生のお嫁さんにならないんですかー?」

「やっ、おセイちゃん、何言うのこの子は!」

「私なんかより明里さんの方がよっぽど夢じゃないと思うんだけど」

「いややわ、おセイちゃん。うちはそんな」

「山南先生も満更じゃなさそうだし、ここはひとつ」

「まったく・・・大人からかうのもいい加減にしいや」

「えへへ」



「何か食べる?」

「ううん、まだあんまりお腹すいてない」

「水菓子用意してあるえ。食べたい時言うてや」

「ありがと」

「あと、屯所じゃいろいろと難儀やろ思てお馬たくさん作っておいたえ」

「ほんと?助かるー!もう少なくなって困ってたとこ。
明里さん、どうしてそういうのわかるの?」

「長い付き合いやろ?わかるわ」



「嬉しい・・・」

「なに、おセイちゃん、泣かんといてこんなことで」

「だってえ」

「自分で鬼になる決めたんやろ?泣かない泣かない」

「うん・・・」

「もう、頼りないわあ。そんなんならもう沖田センセのお嫁さんに
してもらうがええわ」

「明里さあん」

「それがいややったら泣かんの」

「・・・はい」

「ほらちり紙」

「あ、ありがと」



「少し寝たらどう?疲れてるんやろ?」

「うん、そうする」

「今夜は少し寒いわ」

「そうだね」

「もうちょっとこっち来たら」

「うん」


「明里さん」

「何?」

「・・・ううん、なんでもない。おやすみなさい」

「・・・おやすみ」



「おやすみ、おセイちゃん」